東京23区内では、それぞれ条例または指導要綱により、新たなワンルームマンションの建築許可について一定の条件を設けるなどの建築規制が行われています。規制の内容は区により多少異なりますが、規制により1フロアの戸数が少ない小規模マンションの新規開発は困難となりました。マンション経営において、この規制はどのような影響を及ぼすのでしょうか。今後の世帯構造の変化やワンルームマンションの需要と供給の関係と合わせてみていきましょう!
ワンルームマンションが規制されるようになった背景
自治体によって規制が進むワンルームマンションだが、単に狭いだけではなく、様々な弊害が挙げられる。特に単身居住者のマナーの問題や住民票を異動させない単身者の問題だ。ゴミ出しのルールも守らず、適切に分別されなかったり指定日以外に出したり、指定場所以外へゴミを置いたり、自転車の路上駐輪や生活騒音などの問題が指摘される。また、ワンルームに住む単身者が地域へ溶け込もうとせず、地元の行事に参加しない、自治会や町内会などに入らない、住民税も納めないのにごみ収集の行政サービスは受けていたり、入居者の入れ替わりが早い為に地域コミュニティの希薄化を懸念する声も多い。その為、ワンルームマンション絡みの紛争の防止や、周囲の居住者との関係や生活環境を良好に保つことを規制の目的としています。近隣住民との交流がもてないことによる感情的なトラブルも否定できず、2002年頃から規制が強化され、より実効性のある条例化が図られるようになりました。
ワンルームマンションの建設規制の例
《一戸当たりの最低専有面積の設定》
一定数以上の戸数の共同住宅を対象に、1戸当たりの最低専有面積を25㎡以上とするなど最低専有面積を設定
《ファミリー向けの部屋を一定割合で設定》
総戸数のうち一定割合を、専有面積40㎡以上のファミリータイプ住戸としなければならないと設定
《管理人の常駐》
共同住宅の規模に応じて、管理人の巡回や常駐をルール化
などの建築規制を強化して、住民税の徴収が難しい単身者や納税額の少ない若い世代よりも、収入レベルが高く、かつ長期間定住するファミリー世帯や企業を誘致しています。
規制の強化による懸念点
東京都の単身世帯数は約222万世帯にのぼり、ワンルームマンションの規制で専有面積が拡大することにより賃料が上昇し、賃料の面で考えれば、規制前の古くて狭いワンルームしか選べない学生や一人暮らしの高齢者が増加することが予想される。また、規制の内容についても年々厳しくなる傾向です。最低専有面積やファミリー向けの部屋の設定が条件となると、まとまった広さの敷地が必要になることから、用地の少ない都心部ではワンルームマンションの新規開発は難しくなり、規制強化のため新規物件が十分でなく、将来的には供給不足となる可能性が高いです。
ワンルームマンションの今後の需要
かつては単身者の住宅として広く受け入れられたワンルームマンションだが、規制によって新規に供給される物件の専有面積が広くなり、単身者向けもワンルームではなく、1DK・1LDKの部屋が増え、狭くても1Kの場合が多い。単身者であってもシステムキッチン、2口以上のコンロ、ウォークインクローゼット、独立洗面台などの設備を希望する例が多く、従来のワンルームでは対応できない希望条件となっている。希望はともかくとして、予算的に厳しい者が妥協してワンルームに住む例はこれからも多いと考えられる。ただし、物件が過剰に供給されているエリアでは賃料の水準が下がり、低予算でも1DKや1LDKへニーズが移ることもあるだろう。古くなったワンルームマンションはかつての4畳半1間の木造アパートに似た位置づけになっていくのかもしれない。
まとめ
東京都の単身世帯は2015年時点で308万戸あまりですが、2035年には324万戸ほどにまで増加するという試算もあり、少子高齢化や婚姻率の低下、ファミリー世帯の減少により、単身居住者向けのマンションの需要が高まることは容易に予測可能です。しかし、ワンルームマンション規制の存在により、狭くて設備が不足しているお部屋の人気は低迷してくると考えられ、そのようなお部屋は、賃料下落の可能性があります。将来的に供給が十分とは言えない状況になることは予想が出来ますので、今後は、物件のエリアを選別することにより、空室リスク・賃料下落リスクを回避でき、安定したマンション経営と資産価値の維持をもたらしてくれるでしょう。
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