このコラムをご覧の方の多くは、投資用不動産をご所有されている方、もしくは興味のある方だと思います。
昨今、書店に行けば不動産投資をすすめる本がずらりと並んでいる一方で、
インターネットを見れば「不動産投資はやめとけ」という記事が溢れかえっています。
なぜ、そのような記事が出回っているのでしょうか。
それは買い方や運用方法によっては、本当にやめた方がいい場合もあるからです。
投資用不動産オーナーのほとんどは販売会社からの営業を受けて物件を購入していますが、
中には販売会社の言うことを素直に全て受け入れて、任せっきりにしてしまっている方もいるのではないでしょうか。
そのような方々の中には、購入時に不動産投資のメリットだけを説明されていて、本来目を向けるべきデメリットやリスクを把握していない方や、
利益を得るどころか資産を減らしてしまっている事に気付いていない方もいます。
不動産投資には、しっかりと知識をつけて運用をしないと大きな損失を出してしまいかねないリスクがあります。
不動産投資で成功されている方は、しっかりと知識を身につけ、リスクを理解した上で対策を講じて運用をされています。
今回は不動産投資の本来の目的やリスクについてご説明させて頂きます。
そこを理解することで、ご自身の不動産投資の状況を把握できることに繋がります。
不動産投資の目的
販売会社から営業を受けて不動産投資を始めた方の中には、税金対策や老後の資産形成、保険代わりを目的として運用されている方も多いかと思います。
しかし、投資なのですから本来は利益を出すことを目的に行うものであって、税金対策や保険代わりというのは付随的な要素であるべきです。
不動産投資とは、物件を「買う→運用する→売る」という流れの中で利益を出していく投資方法です。
安く買って高く売ったり、賃貸で運用して家賃収入を得たり、というのが本来の目的なのです。
不動産投資の利益の出し方については、主に2つの方法があります。
①インカムゲイン
資産の保有中に得られる利益のことを「インカムゲイン」と呼びます。
銀行預金であれば利息、株式投資であれば配当金、そして不動産の場合は、家賃収入がインカムゲインに当たります。
家賃収入を目的とした投資のメリットとしては、その安定性が第一に挙げられると思います。
次に説明するキャピタルゲインと比べると一回で入ってくる金額は多くないものの、安定的に長期間、利益を得続けることができます。
②キャピタルゲイン
保有している資産を売却した際に得られる利益のことを「キャピタルゲイン」と呼びます。
不動産の場合は、保有物件の売却益のことですね。
不動産投資は、株や暗号通貨に比べて流動性の低い投資ですので、売却時期は市況や自身の資金計画を確かめながら慎重に見極めることが重要です。
インカムゲインを目的に不動産投資を始めた場合でも、所有している不動産が値上がりすることが明らかな状況であれば、キャピタルゲイン狙いに切り替えることも一手です。
不動産投資の本来の目的は、インカムゲインやキャピタルゲインを得る事にあります。
月々の家賃収入を得ながら、然るべきタイミングで売却をすることによって売却益を得られれば、その投資は成功に終わるでしょう。
収益性の良い物件を周辺状況や市況を読みながら適切な金額で購入することが、
不動産投資で成功をおさめる上でとても大切な要素になります。
良い物件選びが不動産投資の成否を分けると言っても過言ではありませんが、
ではいい物件とは一体どのような物件の事を言うのでしょうか。
それを理解するには、不動産投資のリスクをしっかりと把握しておくことが大切です。
不動産投資のリスク
不動産投資における最大のリスクは「空室」です。
どんなに立地や設備が良くても、家賃収入がなければ管理費や修繕積立金などの支出ばかりでマイナスが膨らんでいってしまいます。
ローンを組んで購入されている方であれば、たとえ入居者が決まった後の収支がプラスであっても、
空室期間中のマイナスを取り戻すには空室期間よりはるかに長い期間を要します。
空室の発生、長期化は利益の減少はもちろん、最悪の場合は損失につながってしまう危険性もあります。
家賃保証のあるサブリースであれば空室リスクを考えずに運用することはできます。
しかし、サブリースには大きな落とし穴があるのも事実です。
サブリースに関しては以前のコラムで取り上げておりますので、そちらをご参照ください。
空室になってしまう理由には、時期的な事情であったり入居者の個人的な事情が関係していますが、
その後に適切な条件で適切な入居者募集を行えば、空室期間が長期化することはありません。
空室期間が長期化してしまう理由には、おおまかに2種類の原因があります。
①所有物件特有の原因
これは設定賃料が高かったり、広告の仕方がわるかった場合に起こるもので、即時対策が可能なものです。
欲張って相場より高い賃料設定にしたり、対応のわるい管理会社に管理を委託することによって起こるものなので、
しっかりとした管理会社に移管することで解決できます。
②土地や社会的な事情による原因
所有物件特有の原因であれば解決できますが、周辺の地域が過疎化したり、
最近であればコロナでリモートワークが普及したことにより、ランニングコストの低い地方に移住する人が増えたことによる都内の入居者数減少など、
個人では改善のしようがない原因で空室が長期化してしまう場合もあります。
不動産投資にはご自身ではコントロールのできない事象が発生してしまう可能性があることをよく理解し、
不可抗力によるリスクを負いにくい物件選びを行うことが重要です。
例えば東京都の渋谷区や港区などの人気エリアであれば、過疎化のリスクは限りなく低く、適正賃料に設定していれば入居者も苦労せず決まることでしょう。
ご自身の予算の範囲内で、極力リスクの低い物件を選べば、失敗する確率もぐっとさがるはずなのです。
まとめ
投資用不動産オーナーの中には、突然の電話や訪問、同僚や知人の紹介、セミナーへの参加等をきっかけに営業を受けて購入に至った方がとても多いように思います。
販売会社から買われた方の多くは「老後の資産形成になりますよ」「税金対策ですよ」「保険代わりですよ」と言われたのではないでしょうか。
しかし、繰り返しになりますがそれらは不動産投資の付随的な要素であって、本来の目的はインカムゲインやキャピタルゲインを得ることにあります。
では、なぜその営業は目線をずらすような営業をしてきたのでしょうか。
それは販売価格が高い為、インカムゲインもキャピタルゲインも得られないからです。
マイホーム向けの不動産であれば、家族構成の変化や収入の増加によって、営業を受けなくても購入を検討される方はたくさんいます。
しかし投資用不動産のニーズはマイホーム向け不動産に比べて低いので、販売していくには広告宣伝費や人件費など多くの経費を使って販売促進活動を行う必要があり、
どうしても販売価格が高くなってしまうのです。
もし現在の収支がマイナスなのであれば、高く買ってしまっている可能性があります。
そのような状況の方はすぐにでも収支の見直しや出口戦略の再考をする必要がある為、プランインベストにご相談ください。オーナー様にとって適切な運用方法のご提案をさせて頂きます。
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