為替相場では急速な円安が進んだことで国内市場のインフレ懸念が強まっており
2022年7月時点での円相場は1ドル=135円を超える勢いを見せています。
このような情勢の中、不動産投資家の方にとっては円安が不動産投資にどのような影響を及ぼすのか、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回のコラムはドル高円安の現状について大まかに確認した上で円安が不動産投資に与える
影響について円安から派生するインフレ、海外投資マネーの動き、金融政策の転換の観点から考えていきます。
具体的な影響について
円安が不動産投資に与える具体的な影響について以下3つの観点から考えてみましょう。
・円安から派生するインフレ
・海外投資マネーの動向
・金融政策の転換(1980年代の不動産バブルとの比較)
1.円安から派生するインフレ
円安は、日本国内において、輸入原材料や燃料などの高騰(インフレ)をもたらします。
インフレによって建設費やリフォーム費用も値上がりし、収益不動産も値上がりする可能性が考えられます。
また、円安になると国内の余剰資金が不動産市場から為替市場に流出する可能性もあります。
そうすると需要と供給の関係から、収益不動産の価格抑制の方向に働く要因となります。
このように円安からインフレが生じた場合に不動産投資に与える影響は価格上昇の側面がある一方、
価格抑制の側面もあり情勢によって異なるといえるでしょう。
2.海外投資マネーの動向
次に、海外投資マネーの観点から円安の影響を考えてみましょう。
2007年に国土交通省が、米国・欧州・アジアを中心とした海外の不動産投資家に対しておこなった
「海外不動産投資家アンケート調査」では、日本の不動産に対する投資スタンスを強気にみる要因の
一つとして、回答者の約4割が「円高を想定」としています。
実際に、2012年の1ドル80円から2015年には1ドル120円にまで円安が進み円安の動きに
呼応するように、外国人投資家の日本不動産への投資も拡大していったという状況があります。
円安は購入時点での割安感から将来的な円高期待につながり、日本の不動産投資に対する
自国通貨ベースの投資リターンの底上げも期待できることから、海外投資マネーが日本不動産市場に流入する材料になりやすいといえるでしょう。
3.金融政策の転換(1980年代の不動産バブルとの比較)
1985年、プラザ合意によってドルに対する他通貨の切り上げに向け、各国が為替相場に協調介入をおこなった結果、日本でも円高ドル安が進み、これに対応するために、景気対策として金利が引き下げられました。
大規模な金融緩和によって貨幣供給量が大幅に増加し、余剰資金が不動産市場に大量に流入したことが、実態から乖離した不動産価格の上昇を招き、不動産バブルの一因と考えられています。
(※参照:内閣府「プラザ合意後の円高の進行と円高不況」)
1980年代とは異なり、円安ドル高の場合には輸入原材料等のコスト高が販売価格に転嫁され、
インフレ懸念が生じます。
そのため、金融政策として金利の引き上げがおこなわれることが考えられます。
2022年以降の不動産動向について注視したいポイントの一つは、アベノミクスより続いていた
量的金融緩和政策が円安対策として見直され、金利が引き上げられるかどうかという点です。
仮に金利の引き上げによって金融引き締めがおこなわれると貨幣供給量が減少し、
不動産需要も冷え込んでいくことになる可能性もあると言えるでしょう。
不動産投資市場に影響を及ぼす要因は様々である
ここまで見てきたように円安が不動産投資に与える影響は多方面から捉えることができ、
一様ではありません。
また、為替相場以外にも不動産投資市場には様々な要因が影響を及ぼします。
そのうち大きな要因となるのが日本国内の金融機関の金利と貸出態度です。
不動産投資には多額の資金が必要であるため、金融機関から融資を受けて不動産投資をされている方が大半かと思います。
その為、金融機関の不動産投資ローンの金利条件、貸出態度は不動産投資市場に影響を及ぼす要素となりますので金利が上がるとイールドギャップ(投資利回りと金利との差)を生み出しづらくなることで融資を受けようとする誘因が下がり、不動産投資市場の需要は減少する傾向があるといえます。
逆に金利が下がれば不動産投資市場の需要は活発になるといえるでしょう。
金融機関が投資用不動産の購入のために資金を貸し出すかどうかという貸出態度も不動産投資市場に影響します。
貸出態度が緩和されれば購入できる人が増えるため不動産投資市場は活発になる一方、
引き締めがなされると市場は冷え込むことになります。
また、不動産投資市場はミクロな需給に左右される側面もあります。
不動産投資の収益は不動産という実物資産に紐づいているため、その不動産が所在する地域の人口動向や、立地する周辺の環境にも大きな影響を受けることになるからです。
全体のトレンドを見極めつつも、物件ごとのパフォーマンスや周辺エリアなどのミクロの視点で注視することが重要となってきます。
まとめ
円安から派生するインフレの観点からは、不動産価格が上昇するのではと思える箇所も御座いますが価格抑制に働く可能性の方が高いと言えるでしょう。
海外投資マネーの観点からは、円安は不動産投資市場への余剰資金の流入を招き、市場の活発化につながると考えられました。
一方で、インフレ抑制の金融政策がおこなわれ、金利が引き上げられると不動産投資市場の冷え込みにつながると考えられます。
不動産投資は市況によって左右されることが多く、様々な影響がありますので
近年ではオリンピックやコロナなどで価格の乱高下があり、ネット上ではまだまだ価格が上がるのではなどの情報が多く見受けられますが多数のお部屋を取り扱いさせて頂いている肌間としては、家賃相場が下がっていることもあり今後のリスクを如何に考えていくことが重要になるのではないかと思います。
投資に関しては常にリスクがつきまとうので不安を感じられている方も少なくないと思います。弊社プランインベストはどんな時でもオーナー様にとって最善のサポートをさせて頂きますのでお気軽にご相談くださいませ。
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