3月に入り、アメリカでIT企業などを顧客に持つシリコンバレー銀行が経営破綻しました。
アメリカの銀行破綻の規模としては史上2番目の大きさです。
米連邦準備制度理事会(FRB)の急速な利上げが破綻の要因とみられ、他の中堅銀行への波及も懸念される状況です。
今回は、2008年に発生したリーマンショック以降で最大の米銀破綻になります。危機的な状況は2008年のリーマンショックに匹敵するか、それを上回る規模になると予測する向きも有りますが、不動産市場での大きな危機と言われていたリーマンショックはどんなものだったのでしょうか。今回は、今後の不動産市況を予想する上で、過去に起こったリーマンショックについて解説いたします。
リーマンショックとは
リーマンショックが発生したその当時、アメリカでは既に住宅のバブル崩壊が発生していました。
政府が打ち出した金融施策が軌道に乗っておらず、金融崩壊を起こしていました。
その中でも特に有名なのが、サブプライム住宅ローン危機です。
アメリカでは低所得者層のために住宅購入を促進させようと、審査が緩いローン商品をつくりました。
ところが、これが大失敗に終わってしまいます。
住宅を購入しやすい環境を作った結果、住宅の価値が下がったうえ、審査が緩い代わりに高金利になっており、ローンを支払う事が出来ない債権者が増加しました。
これにより、金融機関が回収出来ない多くの不良債権を抱え、結果的にリーマンブラザーズは倒産に追い込まれたのです。
不動産市場の変化
リーマンショックが日本の不動産市場にもたらした悪影響は、大きく「地価の下落」と「中堅デベロッパーの破綻」の2つになります。
サブプライムローンの開始で、一時は日本の不動産市場も活性化を見せました。
しかし、リーマンショックが発生した2008年以降は、住宅地・商業地ともに地価が下落し、一気にマイナス圏へと落ち込んでしまったのです。
これにより、金融機関は中堅のデベロッパーに融資の引き締めを行い、その結果、資金繰りが難しくなった企業は、経営破綻を起こしました。
■リーマンショック時の不動産価格の変動
株価と不動産価格の変動については、一定の相関関係があると言われていますが、それは株価が先に変動し、その後に不動産価格も緩やかに変動していくという事です。
株価は景気を映し出し、景気の動きに左右されやすい指標の1つと言われています。
投資家のマインドの影響を大きく受けてしまうため、金融危機の時には大幅な株価の下落が発生します。
一方、不動産価格についてはゆっくりと下落はしていましたが、一番大きな下落は、リーマンショックから2年程経過した2010年でした。
それは不動産取引のビジネスモデルに起因するのですが、新築マンションなどを販売するディベロッパーは、一棟マンションを企画、販売し、お客様にご購入頂き、売り上げを上げるまでに、複数年をかけての事業計画を立てます。
その事業の中で、まず先行して土地の取得費、マンションの建設費、人件費等が掛かることになります。
上記の費用はマンションを販売することによって回収でき、そして利益を生み出し、初めて一つのマンション事業が完結するため、新築マンションのディベロッパーは容易に価格を下げる事が出来ないのです。
その為、不動産価格はリーマンショック時にも、日経平均株価のように急落することはなく、比較的緩やかな価格下落に収まりました。
■リーマンショック時の賃料・入居率
リーマンショック時の賃料や入居率についてですが、リーマンショック級の景気後退の中でも、マンションの賃料や入居率は比較的、安定して推移しました。
変動が起こりにくい理由は、『住』がなくてはならない生活基盤だからです。
賃貸は人口や供給戸数など、需要と供給のバランスに左右される部分が大きく、そのバランスが取れているようなエリア、都市部であれば、景気動向に影響を受けない場合が多いです。
リーマンショックからの回復
リーマンショック以降、景気回復の兆候が見られたのは、5年後の2013年です。
アベノミクスがスタートしたことを皮切りに、地価も上昇を始めます。
アベノミクスが行った有名な、
「金融政策」
「財政政策」
「民間投資の成長戦略」
この3本の矢が、景気回復に大きく貢献しました。
アベノミクスの影響で、特にプラスの影響を受けたのが首都圏のマンション市場です。
2013年にはマンション価格が上昇し、2019年にはバブル崩壊以前の価格にまで推移しています。
これは、皮肉にもデベロッパーが倒産し、マンション供給が一時的に減少したため、住宅価格が上昇したことが原因です。
特に、首都圏の中古マンション価格は一時的に下がったものの1年後には価格が上昇し、マンション市場は大きく上昇に転じた結果となりました。
まとめ
不動産価格は景気が悪化してから、数値に現れるまで数年ほどかかります。
リーマンショック時では、不動産市場の悪化が数値として確認できたのが2年後の2010年です。
国土交通省の地価公示価格によると、首都圏の地価は2008年時点ではプラス5.5%だったのが、2010年にはマイナス4.9%まで下落。
商業地の影響は住宅地よりも多く、2008年にプラス12.2%だった地価が、2010年にはマイナス7.3%にまで落ち込む結果となりました。
不動産は時間差で数値に現れるものなので、この先の市況も不透明な部分が多く、ここから仮に悪化した場合、以前と同じ様に元の市況に戻る保証も無いので、今後どのように変動するのか情報収集をする事やリスクオフを意識していきましょう。
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